朝鮮王朝時代に起こった怪奇事件という史実から、これほどの作品を作り上げるとは…。
まず、開始数分後でタイトルが『梟 - フクロウ-』なのかが分かること。それと同時に、盲目と言われると『座頭市』などを連想してしまいましたが、そんな偏った考え方を直ぐしてしまう私をぶん殴られるような衝撃を受けました。
ざっくりとした本作のあらすじは、主人公の盲目の鍼医ギョンスは、患者との会話や特徴などから病状を特定できるほどの観察力と鍼医としての技術を買われて、宮廷で働くことになる。宮廷内でもその観察力と技術力を発揮していく。
しかし、彼はある1つの"秘密"を抱えながら、とある怪奇事件に遭遇してしまう。その"秘密"を守るべきか？真実を貫くべきか？選択を迫られるというお話。
本作は実話ではなく、あくまで朝鮮王朝時代に起きた怪奇事件の実録から着想を得て作られたようです。しかし、ただ着想を得たにしては、展開に工夫し過ぎるほどのネタが満載でした。二点三点していくのがみていて飽きさせないほど。よくこんなことを考え出せるなと思うし、物事の重要な部分を突くところからは、エンターテイメント作品として簡単に片付けてはいけないのではないかと思わされるほどでした。
解明されずに闇に葬られた無念さに真実の鉄槌を下すかのような凄まじさを感じました。ネタバレしないように伏せながら述べますが、ラストの真実を貫いた者と嘘偽りを貫いた者の対比が素晴らしかった。
