VisorRobot

梟ーフクロウーのVisorRobotのネタバレレビュー・内容・結末

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

チネラヴィータ仙台で見た。なかなかお客さんが入っていた。

梟(ふくろう)。という中二的にかっこいいタイトルが示す通り、これはヒーローものなのだ。色々とかけている部分もあるのだが、面白いものを作ろうという気概がエンドロールまで感じられた。

光の下ではほとんど何も見えないが、夜目はかすかに見通すことができるギョンス。闇の中ではめっぽう素早く、どこで習ったか鍼の腕はピカイチである。病気の弟を救うため、能ある爪を隠す梟だが、夜目の聞く猛禽類が梟。王朝という森を見通す目を持つのだ!

という口上を述べたくなるようなヒーローのストーリーとして作られていて、結末など、完全に必殺仕置人である。

そのため、怖そうなポスターに比べて、話はどちらかといえば快活で、ソース顔のお笑いキャラも配置されているサービスぶりだ。そもそも王朝の警備ががばがばすぎるとか、王の陰謀を皇后妃とともに知ったはずのギョンスをどうして始末しなかったのかとか、ギョンスの足の傷気づかれなさすぎだろとか、いろいろと気になる部分はあるのだが、そこまで厳密じゃなくてもすっきりとした後味で見せてくれるこの映画が好きである。

やっと上ってきた朝日が幼い皇太子を背負ったギョンスに降り注ぎ、一瞬映画の中でも最もフォトジェニックな瞬間となるのだが、それによって視界がふさがれてしまうという皮肉な絵面も計算されつくされていてよかった。
VisorRobot

VisorRobot