梟ーフクロウーのmappoのネタバレレビュー・内容・結末

韓国史実に残るソヒョン世子の謎の死を基にしたサスペンス・スリラー。冒頭に読まれる「朝鮮に戻った王の子は〔……〕さながら薬物中毒死のようであった」というのが朝鮮王朝実録にある記述らしく、それに盲目の目撃者という設定が追加されている。
吉岡里帆の「見えない目撃者」と違って、主人公は光がない場所ではぼんやり見えている設定。なので夜目が効くから梟。闇の中に血を流しぶるぶる震える世子の姿が浮かんでくるシーンでは、手遅れなタイミングで知る恐ろしい現実という絶望感を伴った恐怖を味わえる。また眼球に針を突きつけられるシーンについては、ポスターが印象的すぎて「くるぞ…」と待ち構えてしまった。ジャンプスケア回避。
歴史に詳しくないのでどこまで史実でフィクションなのか分からなかったが、イ・ヒョンイク医師の存在や毒アワビ事件、妻子や女官の死刑・流刑も史実らしいく、サスペンスドラマみたいな歴史だなと思った。そしてまさにこの事件は王宮の高官達が見て見ぬふりをした残酷な歴史であり、彼らに主人公が「私が見ました」と繰り返す場面では「見て見ぬふりをしてはいけない」という強いメッセージを感じた。