このレビューはネタバレを含みます
記録の残っているお話を膨らませたお話だそうで…
主人公は目の見えない鍼師。
腕は確かで、認められて王宮に仕えることになる。
「見えているけど見えないふりをする」
が物理的、精神的な意味で重なっていた。
台詞にもあったけど、
立場のない人は黙っていた方が良い、という諦めが世の中を渡っていくのに正しい判断なこともあるけど、ずーっと黙ってたらいいように使われるだけなんだよね。
正義がいつも正しいとは限らない。
でも、牙を折られていたら大切な時に動くことができない。心持ちが大事。
個人的にはアワビのお粥に毒入れて侍女に飲ませるシーンが忘れられなかった。
身分の高い人にとって、人は駒にしかすぎず、代わりはいくらでもいるんだよな、と話の筋ではないところで悲しくなってしまった。
主人公は死刑だったけど逃がしてくれた人がいたので、そこは救い。皆が皆自分の利益だけを考え、王の言いなりになっているわけではなかった。
実際に記録が残っているが、当時世子の死をどういう扱いにしたんだろうか?と気になる。
息子くん達は済州島に流されてしまったようですね。
暗闇が多く出てくるので、雰囲気を味わえる映画館で見るのが良いと思った作品。