がぶりえる

猿の惑星/キングダムのがぶりえるのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.6
「完全新作」!!

この手の誇大広告をするハリウッドのドル箱映画は、「どうせ期待ハズレだろ。」とか思いながら心の何処かで淡い期待をしてしまうから結局いつも観に行ってしまう。それだと向こうの思うツボなのだが、今回もまんまとそのツボにはまった。駄作とも良作とも言い切れないくらいの完成度。というのも、映像が極端に凄くて、脚本が極端に弱いのだ。映像を頑張りすぎて肝心のストーリーが弱くなる減少は最近のハリウッド映画ではよくある例で、「DUNE」「ジュラシックワールド」「スター・ウォーズ」新3部作なんかはその類。シンプルに勿体ない。いかに脚本が映画の根幹をなしているかがこれらの作品を観てるとよく分かるし、どれだけ映像が凄くても脚本が弱いと全部台無しになる。本作は3部作構成の1作目ということもあって、世界観とキャラクターの説明が多かったから退屈と感じたのかもしれないが、にしても...。設定等の違和感は特になかったのだが、とにかくテンポが悪く、各所で間延びしていたからタルいと感じる部分が多い。

でも、でも、繰り返しにはなるが映像は本当に申し分ない。ほとんど本物と見分けのつかない領域のリアリティ。水や泥表現のリアリティが特に凄い。猿の毛が風に靡く様の精密さにも目を見張る。「アバター」を彷彿とさせる、フルCGでみせる最初のアクションシーンから本気度が伝わる。映画館の大スクリーンで体感するべし。

2作目に期待したい。次はもっと 洗練された 脚本で、世界観を拡張して、 ハリウッド らしく派手なお祭り映画にしてほしい。ノアの成長譚の続きも期待したいし、フレイヤ・アーランの活躍ももっとみたい。