桃の毛姫

猿の惑星/キングダムの桃の毛姫のレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.6
公開後の最初の日曜なのに劇場かなり空いててびっくり。
猿の惑星って今はそんな集客できるタイトルじゃないのかな?と少し寂しい気持ちになった。

"完全新作"と謳ってるけどシーザー三部作の正当な続編であり、『ジェネシス』と『ライジング』の脚本家が本作にも携わってるので、旧シリーズは見なくても前三部作は見ておいた方が絶対いいと思う。
逆に見てないとあまり面白く感じないかも...

今回の新作は、物語に新しさが無かったこともあり、期待していたより面白味を感じなかったのが正直なところ。
約300年経っている割にはヒトとエイプたちに進展がなく、前作の『グレートウォー』から20〜30年しか経ってないんじゃないかと思ってしまう。
あれから300年経過したら文明的な人間は根絶してるはずだし、生き残ってたとしても今更アンテナで宇宙船?とか火星?と交信するの?
ノアが星が吸い込まれるみたいなこと言ってたからブラックホールの可能性もあるけど。
とにかく、今まで人間たち300年何してたの?とツッコんでしまった...

たしかに地球が猿に支配されかけてるという意味では前三部作よりも旧シリーズの1作目に近い正真正銘の”猿の惑星”にはなっていたけど、既に前三部作で一番肝心な「人間と猿の逆転劇」の起源と結末を完全に描き切っちゃってるから本作が蛇足に感じてしまう。
300年経ってるなら旧シリーズのように人間がミュータントになっているとか、猿たちが文明を急速に進化させてるとか何かしらの映画的なインパクトが欲しかった。
せっかくの新作なんだからもっと攻めた猿の惑星が見たかったなぁ。
悪い意味で前三部作を引きずってる感じがした。
このままだと結局、ヒトとエイプの戦争話をひたすら繰り返すことになりそう。

続編あるならもちろん見たいけど、あの客入りだと興行的に次あるかはわからんなぁ...