いしはらしんすけ

猿の惑星/キングダムのいしはらしんすけのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.6
2011年からスタートした「猿の惑星」リブート版新シリーズの第4作。

と言いつつ前作までの三部作はきっちり閉じてはいて、冒頭こそ前回とそのまま繋がってはいるものの、そこから「多くの世代を経て」のテロップが出るので、これはまあ実質上の再リブートと言っていいんじゃないか、と。監督、脚本はじめ製作陣の座組も一新されているし。

そんな訳でエンディングを筆頭に新たなシリーズの第1作としての性格が強く、この手のシリーズものにありがちな単体ではなかなか評価しづらい作品ではあるかな?言うたら起承転結の起の部分だけしか見せられてないので。

方向性としてはざっくり1968年からの旧シリーズに寄せたテイストが意識されてるように感じられ、人間狩りのシーンや人形玩具のアレなどオマージュもそこかしこに点在。

前三部作の主人公、シーザーがカリスマ性に満ちた絶対的ベビーフェイスだったのに対し、今回の主役であるノアがまだ成長途上なこともあり、否応なしにブチ上がるような激エモ場面は基本オミット。

「人間ってホントどうしようもないよね。そして猿たちも同じ道を?」というアンチカタルシスが支配的な作風だけに良くも悪くもモヤモヤな後味で、特に美少女人間、メイちゃんはどんな気持ちで見たらいいか、現時点ではわかりかねるキャラではあります。

これまで以上の勢いでセリフで強調される、シリーズでも常に内在した「猿と人間に共存は可能か?」というテーゼがどう展開するかを気にしつつ、次作を待ちたいと思います。