ばーとん

カラヴァッジオのばーとんのレビュー・感想・評価

カラヴァッジオ(1986年製作の映画)
3.6
17世紀ルネッサンス期の画家カラバッジョの伝記映画の体裁を取ってはいるが、彼の芸術的功績よりも、バイセクシャルとしての破天荒な生涯に焦点を当てた、妄想まみれの物語。電飾、サックス、電卓、自動車などの現代的オブジェクトがわんさか登場し、人々は現代的な衣装を着て、fuck交じりの英語を使う。この掟破りのアナクロニズムがお馴染みのジャーマン節。カトリックの退廃と虚偽をサタニズムに見立てたり、ローマ法王を虚仮にする描写も無神論者のジャーマンらしい。ゲイ・アクティビストの一種のプロモーションとも受け取れるが、「パッション」に影響を受けたような、役者による絵画の再構築は見応えがある。映画のテンションはパンキッシュだがやけに美しくて参る。
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