浅野公喜

ザ・カー ロード・トゥ・リベンジの浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.5
70年代の傑作カーホラー「ザ・カー」の42年振りのひっそりと作られていたリメイク。オリジナルに出ていた「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズや「ロボコップ」でお馴染みロニー・コックスも出演。

オリジナルは悪魔が憑りついた車が襲うオカルト色強いものでしたが、今作は荒廃した近未来が舞台で判決後即死刑執行(笑)という強引なやり方等で犯罪率を下げる検事がチンピラ達に殺され愛車に憑りつき元恋人や刑事らを追い掛け回す「マッドマックス」や「デスレース」に近い雰囲気のバイオレンスアクションに。

別物の内容に加え車はクライスラー300Cをちょっといじっただけみたいな外見であの特徴的なホーンも鳴らず、CG多用で低予算のB級C級路線まっしぐらですがかなりの人数が撥ね飛ばされ時にタイヤでじわりじわりと踏みつぶされ頭が破裂、またある時は道路に横たわった人間二人まとめて轢き殺されたりと殺し方は豪快でオリジナルに有った施錠した車庫から勢いよく飛び出したり迫力は劣りますが横転しながら車(人)を襲う展開も用意されロニーが登場する頃になるとファンには嬉しい「あいつ」も登場と、ちゃんとオリジナル要素を大事にしているのが好印象。

元恋人との思い出の曲を流すのは同じカーホラー「クリスティーン」ぽくもあり、とにかくしつこいストーカーチックな性格はラストにも反映。なんだこんなもんか、と思えばそれを覆す点も多いので別物で安っぽいけど意外と悪く無いリメイクという感じの作品です。
浅野公喜

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