傲慢な検事が色々あって犯罪者に殺された結果、その魂が車に乗り移って犯罪都市を爆走する映画です。うん？何か人形で似たようなホラー映画がある？まさかね！

車は急に止まらない！犯罪者と罪無き一般人を次々に轢き殺すぞ！信じられないアクロバティックなカー殺法も披露するぞ！

犯罪者も伊達に犯罪していない！殺人暴走車に落とし穴で対抗するぞ！えっ！落とし穴！？

何やらリメイク作らしいので原作も鑑賞したいと思った。多分、途中のとあるシーンは原作知ってる人には胸熱だった疑惑。やはり疑惑を解消するために観なければ！

70年代の傑作カーホラー「ザ・カー」の42年振りのひっそりと作られていたリメイク。オリジナルに出ていた「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズや「ロボコップ」でお馴染みロニー・コックスも出演。

オリジナルは悪魔が憑りついた車が襲うオカルト色強いものでしたが、今作は荒廃した近未来が舞台で判決後即死刑執行（笑）という強引なやり方等で犯罪率を下げる検事がチンピラ達に殺され愛車に憑りつき元恋人や刑事らを追い掛け回す「マッドマックス」や「デスレース」に近い雰囲気のバイオレンスアクションに。

別物の内容に加え車はクライスラー300Cをちょっといじっただけみたいな外見であの特徴的なホーンも鳴らず、CG多用で低予算のB級C級路線まっしぐらですがかなりの人数が撥ね飛ばされ時にタイヤでじわりじわりと踏みつぶされ頭が破裂、またある時は道路に横たわった人間二人まとめて轢き殺されたりと殺し方は豪快でオリジナルに有った施錠した車庫から勢いよく飛び出したり迫力は劣りますが横転しながら車（人）を襲う展開も用意されロニーが登場する頃になるとファンには嬉しい「あいつ」も登場と、ちゃんとオリジナル要素を大事にしているのが好印象。

元恋人との思い出の曲を流すのは同じカーホラー「クリスティーン」ぽくもあり、とにかくしつこいストーカーチックな性格はラストにも反映。なんだこんなもんか、と思えばそれを覆す点も多いので別物で安っぽいけど意外と悪く無いリメイクという感じの作品です。

• #カーアクション

近未来、犯罪集団に襲われた検事カドックはビルから突き落とされ、自慢の愛車の上に落ちて死亡。彼の魂が憑依したその車”ザ・カー”は無人で動き出し犯罪者集団を次々殺していく…というストーリー。
あの70年代の傑作オカルトホラーアクション「ザ・カー」をリメイクした作品ですが、粗筋を読めばわかる通り内容的には全く別物になっています。
黒塗りの車が無人で暴走して人を轢き殺すという展開こそ一緒ですが、オリジナルではアメリカの田舎町に突如現れた正体不明の車が暴れまわったのに対し、こちらは近未来が舞台で、悪党に殺された検事の魂が車に乗り移って復讐を始めるという「処刑ライダー」みたいな展開になってます。オリジナルでは最後の方まで正体不明だったけど、こちらでは最初から正体や目的がハッキリしてるんですよね。
近未来が舞台という事で、裁判所で死刑を宣告された被告がその場でカプセルに入れられてミンチにされたり、犯罪データが入ったチップを巡って検事を殺し、その元カノであるヒロインを付け狙う悪党集団も、片腕サイボーグや指先がパカッと分かれて小型ドリルが出る奴や腕に火炎放射器付けた女など漫画に出てきそうな敵キャラになってます。ちょっと「アップグレード」の敵達を思い出しました。荒廃したスラム街の雰囲気は「マッドマックス」か「デスレース」彷彿させます。
最初カドック検事が主人公っぽく描かれますが、殺されて車に憑依した後は、「サバイバル・オブ・ザ・デッド」や「ザ・ヴォイド」のキャスリーン・マンロー演じるカドックが執着する元カノとグレント・バウラー演じる事件を追う刑事が主人公になります。元カノはスラム出身で気が強く、護身術習っていてそれで悪党と渡り合ったり、躊躇なく銃ぶっぱなしたりとかなり頼もしい。刑事の方はイマイチ活躍の場なかった気がします。頑張ってたけど。
カドックは検事だけど出世や名声が目的の悪徳検事っぽくて、更に元カノに執着するモラハラストーカー男とかなりゲスな奴で、その為復讐劇と言っても悪党VS悪党という図式ですね。スラム街の住人も人間として見てない節があるから、関係ない一般人も平気で次々ひき殺していきます。元カノ助けるうちに関係もった刑事の事も殺そうと追い掛けてます。
オリジナルとは内容は別物ながら、バイクに乗った主人公追い回したり、懸賞金かけられて追跡してくる犯罪者たちを横転して突破するオリジナルのオマージュシーン盛り込む辺り監督はオリジナルをリスペクトはしてるんじゃないかな。オリジナルでは横転してパトカー二台叩き潰す派手な見せ場でしたが、こちらでは横転しながら空中飛んでその際悪党二人引っ掛けて殺すと微妙にショボくなってるのは残念。どうせなら悪党たちを車やバイクごと叩き潰してほしかったけど、予算の限界か。
悪党たちが追跡していくシーンのカーチェイスは「デスレース」っぽさを感じさせますし、ストリップクラブに乗り込んで逃げ惑う客や従業員を次々襲っていく所はいい感じだった。罠にはまって叩き壊された後、いきなり現れた修理工のおじさんに修理されてバージョンアップして(違いあんま分らないけど)復活する所や、恩を仇で返すが如く速攻で轢き殺す所は面白かった。この修理工はオリジナルに出てたロニー・コックスなんですね。
車で頭部押し潰したり、タイヤで頭轢き潰したり、地面にうつぶせになった人体をぼろきれの様に引いていったり車に引きずり込んで上半身と下半身切断したりといったゴア描写も盛り込まれています。
オリジナルと同じくダイナマイトで爆破して決着、と思ったらボロボロの状態でも無理やり彼女を乗せて走り出すしぶとさとしつこさは良かったけど、決着がアッサリしてて地味で残念。手で押して落とすって…オリジナルと同じく爆破で締めで良かったのに。
近未来B級SFアクションとしてはそれなりに面白いんですが、ここまで内容違いながらもオリジナルのオマージュシーン盛り込んで「The Car」のタイトルつけちゃったらそうそう別物としても扱いづらいから、リメイクとしては残念な出来ではありますね。自分は頭切り替えてみたのでまあ何とか楽しめたけど(それでもかなり複雑ではある)、オリジナルファンは「これじゃない」連発しまくってガッカリするんじゃないでしょうかね。