義民伝兵衛と蝉時雨

《ジャンヌ・ディエルマン》をめぐっての義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

4.1
女優としてのそしてフェミニストとしてのデルフィーヌ・セイリグの思慮深さや知性の奥深さが克明に記録されている。シャンタル・アケルマン率いる若き女性映画クリエイター達を女優ソクラテスとでも言うかのような思慮深い対話によって男性優位な社会の中で自立した女性映画人、そして女性社会人へと成長していくことを愛を持って後押ししていることが手に取るように分かる。女性映画人、ひいては女性として、ひいては人間としても偉大なデルフィーヌ・セイリグの生き様に大いに学びがあった。この映像の10年後に「ゴールデン・エイティーズ」で再開したことを思うと尚胸が熱くなる。