かんふーきゃっと

テリファー 終わらない惨劇のかんふーきゃっとのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

○キラーであるアート・ザ・クラウンよりも監督の個人的趣味が前面に出てしまった一品。

○冒頭の掴みはグー。キチガイピエロにお似合いのカワイイ相方が出来て上々のスタート。だが、私としてはここがピーク。

○中盤にピエロの出番が少ない。あいつを観に来てんだよ!(血涙)。
 ヒロイン一家の描写を一生懸命してくるのだけど、脚本と演出が下手すぎて単純な設定の説明もロクに出来ていなくて悲しい。ベタな上にペラペラと薄い。
弟「姉ちゃんならあいつに勝てるよ」
姉「なんでそう言えるの?!」
弟「…わからない」
細かく考えていないのなら触れないで欲しい。

○級友との余分な尺稼ぎの会話がストレス。会話のキャッチボールが予想よりも数手多く続くので辛い。こういうやりとりはZ級まで堕ちてはじめて笑えるシーン扱いされるわけで、中途半端だと実に腹立たしい。水増しを省けば上映時間は半分で済みそう。
 でもそこはB級ホラー、たとえ脚本その他がガタガタでも良いシーンさえあれば満足、のハズだったのだが…。売りのゴアシーンは現実味が薄くレパートリーも少ない。顔面損壊に拘りはあったものの、何かツボを外した感は否めないというか、全体的に映像が明るくクリアになった分、粗が目立ち安っぽくなってしまっている。

○終盤の剣や傷、眼などが光りだしたのは笑ってしまったので加点。コスプレヒロインを撮りまくっていたのも、監督が正体あらわした感あってマル。

○まとめ
前作と比べあらゆる面で劣っているように感じた本作は、短編から数えるともう3作目。アート・ザ・クラウンは滅茶苦茶良いキャラなのに、もう出涸らしなのだろうか。だから学生時代の痛い黒歴史ノートみたいな妄想設定を引っ張ってきたのかしら?
 もし仮にそうだとしたら、監督もクラウドファンディングで得た大金を使って、大好きなビキニアーマー戦士の血みどろSMを撮れてもはや思い残すことは無いだろう。次回があるのならゼヒ観客のためにお仕事してください。
 余談だが、ハロウィンパーティが絡んだ映画では、ダンスシーンのしつこい描写は義務なのだろうか。法律?ああそう…。