ジェイコブ

テリファー 終わらない惨劇のジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

マイルズで起きた惨劇から一年後のハロウィン。消えた遺体や、暴行事件を起こした唯一の生存者ビクトリアなど、殺人鬼アートクラウンの恐怖は数多くの謎と共に人々に語り継がれていた。死体安置所で再び目を覚ました彼は、血や恐怖を求め、再びハロウィンで浮かれる街へと繰り出す。標的となったのは、父が焼死した事がトラウマとなり、精神疾患を患う姉弟シエナとジョナサン。厳格な母との関係に悩む二人は、ある日町中で人々を恐怖に陥れたアートクラウンの姿を見る。それは二人の身に降りかかる惨劇の始まりであった……。
圧倒的なグロさとバイオレンス描写で衝撃を与えた前作から約6年ぶりの新作。前作超えという期待を一切裏切らないどころか、軽く超える勢いのある本作。内容なんて最早どうでもよくなるくらい、130分間一度もダレることのないゴアのオンパレード。また本作はグロに加え、虫や動物の死骸など、あらゆる人達の「キモッ!」にも対応してる。
本作では、主演のアートクラウン君のあらゆる姿が見れるため、ギャップ萌えもさせてくるから油断ならない。まずは濡らした床を掃除したり、血で汚れた衣装を洗ったりと、あんな大胆な殺し方するくせに、キレイ好きな一面もあるところ。
そして菓子を配っているときに、余分に取ろうとした子供を叱ったり、殺す前はまず手を振って挨拶から入ったりと意外にも礼儀正しい一面も。何よりクラウンカフェでのファンサービスを忘れない神対応を見れば、彼が憎めない愛され殺人鬼である理由がよく分かる。
また、本作ではヒロインのシエナを演じたローレン・ラベラも魅力的だった。セクシーでホラーにありがちなお約束をきちんと守りながらも、後半は弟を守るためにアートクラウン君と死闘を繰り広げた。その鬼気迫る有様は、ここ数年待ち望んでいたホラークイーンが現れたと思えたほど(特にダヴィンチ・コードのオマージュをしたかったお茶目なアートクラウン君が、鞭を持ち出して殴打してきた時に、ブチギレて奪うと今度は逆にやり返した辺りがハイライト)
また、アートクラウン君の相棒で芸達者なアートクラウンちゃんも良かった。ジョーカーとハーレイ・クインのように、もっと二人で暴れる姿がみたいので、是非次作ではそれを期待したい。
ラストは呪怨2を彷彿とさせる。……AIが今後どれだけ進歩したとしても、こんな変態にしか書けないような作品は作られないだろうな笑