おざわさん

自由への道のおざわさんのレビュー・感想・評価

自由への道(2022年製作の映画)
3.9
3月まで無料体験のApple TVで鑑賞。

南北戦争中のアメリカ南部ルイジアナで、綿栽培農家の奴隷として使われてきたピーターが家族から離され、最前線の鉄道延伸作業から逃げて家族の元を目指すストーリー。

その元になったのは映画の中でも出てくる、鞭打ち痕だらけの背中を写した「むちで打たれたピーター(原題:Whipped Peter)」という写真から、北軍を中心とした黒人解放運動が広まったという真実を元にされた映画です。

詳細は分かっていないものの、ゴードンという奴隷が1863年3月にルイジアナの農園から逃げ、10日間の逃亡の末に40.マイル先のバトンルージュに逃げたそうで、その時に撮られた写真から着想を得たストーリーだとか。

そんな脚本を『ギルティ』『イコライザー』シリーズのアントワン・フークワ監督が、アカデミー俳優ながら授賞式での騒ぎから干されてたウィル・スミスを起用して、モノトーンチックで暗いカラー映像で、黒人たちの置かれてきた不遇の時代を描き出します。

確かに初めはその風貌と、言葉少ない役柄で「ウィルスミス?」と思ってしまいましたが、最初から最後までピーターの祈りと信仰の深さが印象的。

でもどこか現代にも繋がるものも感じて、何だかやるせない気分にされてしまいました。