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石があるのharunomaのレビュー・感想・評価

石がある(2022年製作の映画)
1.2
石をも泣かす 
響きと怒りの物語(トマス・エルセサー) 
「響きと怒りの物語――ファミリー・メロドラマへの所見」(1972)
ダグラス・サーク
石があるが水はない

ダウナーへ本気で向かうことと、その反対の局に、トム・クルーズやらデンゼル・ワシントンがいることを無視することは、本当に世界の映画はスタンダードサイズの名のもとに、大いなる分断が続いているかのように、存在の問いと歴史のない中で、サイレント期のフレームサイズを適当な手持ちの長回しの望遠で撮ってしまえる唐変木な若者は、高低差すらない丘へ向かうわけだが、見せる見せないにおける昨今のディズニーの政治的文化的(言語のうち)選択による醜悪な表象の形態、実写『リトル・マーメイド』(行き過ぎた不合理的配慮は表出において瓦解を生んでしまっている)と相似形の事態が、この反アッパー系の壊死したテンション低い日本のインディーズシマネにも起こっている。つまりこの映画も『リトル・マーメイド』も、水が、水の観念が死んでいる。有り体に言えば横溢する世界の背景がダウナー過ぎて縊死している。
そんな世界には興味はない、ルノワール=シュミット主義としては。怒りか憎しみくらいは持とう。
非常に意味のない無意味というか、隠されもしないゴミのような人物の映像であって、不愉快にむかつく類の映像たちであった。これならば、魑魅魍魎の妖怪大戦争をば、少なからず現政権に期待しよう。ところで、本当に右翼のZ世代の金髪に詰め寄られたが、現実としては普通にイッている顔つきでやばかった。これはこれでやはりフィクションなのだ。どうでもいいものはどうでもいい、われわれのあいだで 《他者に向けて思考すること》をめぐる試論
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