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あしたの少女のmoのレビュー・感想・評価

あしたの少女(2022年製作の映画)
4.5

試写にて。実話ベースの物語。
高校の教育課程で、大手通信会社の実習生として働くことになったソヒ。
だが、その会社の業務の実態は、顧客の解約を阻止するために従業員同士の競争を煽り、契約で保証されているはずの成果給も支払われないというものだった。
さらに指導役の若いチーム長の自殺を機に、ソヒの中で何かが崩れ始める。

結果から言うと、ソヒは自ら命を絶つことになる。
競争が激しい韓国の社会システムの歪み…
強く芯の通った少女が会社からも学校からも疎外され、それでも健気に自分の正義を貫きながら命を絶つしかなかった無念さ。
事件を明るみにすればするほど闇は深い。

後半のパートでペ・ドゥナ演じる女刑事は、実際に事件の後、責任の追及に尽力した人権活動家がモデルになっているっぽい?
許され難い命の軽視。
法の死角を利用した命の搾取。
救いのない物語のなかで、「明日のソヒ」のために孤軍奮闘する刑事の眼差しだけが眩しかった。
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