個人的に「私の少女」で撮られた風景よりも現実味があり、身近な問題に思えるだけに観ていられなかった。
競争社会の皺寄せとその行き着く先。
誰かの犠牲の上でしか社会のシステムが改変されないなら、それは本当に生け贄のようなもので。今回それが高校生だというのが余計にやるせない。
ソヒが属していた企業や学校の人間だけでなくて、ダンスのお姉さん達も実のところあまりソヒを知らなくて、その話になると野次馬っぽいところもリアルで。あくまでも他人は他人で、何を思って行動しているのか、何を抱えているのかまでは知らない。
見捨てられた存在に気付くのが、前作の所長さんであり、今回のユジンであり、チョン・ジュリ監督であり。
だけど現実生活のなかで、ユジンにはそう出会えるものではないだろう。誰にも掘り下げられないまま、孤独なまま死んでいったひとって、死にゆくひとって、沢山いるのだろうなとか。
最後に、この監督の撮るペドゥナが好きすぎる。
ユジンがソヒを探してくれて良かった。彼女がソヒを見つけてだしてくれて、あの眼差しを向けてくれて 本当に良かったと思ってしまった。