くぅー

あしたの少女のくぅーのレビュー・感想・評価

あしたの少女(2022年製作の映画)
4.1
“これは警察の捜査対象でしょう!”

»2017年1月に韓国の全州市の大手通信会社のコールセンターで現場実習生として働き始めた高校生が、3か月後に自ら命を絶った実際の事件をベースに描く。

はい、ペ・ドゥナが出演してるので鑑賞し始めましたが、彼女が出て来たのは後半からで…何ともやりきれない余韻が待ってました。

で、現場実習生の女子が命を絶つ前半で、後半はその捜査をしていく女性刑事が描かれますが…ダイナミックな韓国作品っぽいタッチはなく、落ち着き払ったような淡々とした演出で闇を炙り出します。

そう、徹底した成果主義のピラミッドの経済社会で、客はもちろん底辺の労働者からも搾取する実態もあり、マズいことは会社を守る隠蔽体質…さらに派遣元の教育現場も同様で、関係官庁も責任逃れするばかりで、警察内部でも兆しはあって。

うん、まるで命を落とした側に問題があるような構図で、さらに親も娘を失ってから気づくという歪み…おかしいことはおかしいと言って、楽しそうにダンスができなくなったのは彼女のせいなのか?

そんな原題は“Next Sohee”で、彼女の予備軍は多数いるってことでもあり…我が国でもないとは言えないと見終えてましたね。

なお、キャストでは、まずはキム・シウン…前半での迷える演技はお見事。
そして、ペ・ドゥナ…後半でのアウトローな熱演は圧巻。
さらには、チョン・フェリンにカン・ヒョンオにパク・ウヨンらのサポートも良き。
くぅー

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