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あしたの少女のkeeeeetのレビュー・感想・評価

あしたの少女(2022年製作の映画)
4.0
企業の中にノルマがあり、その企業に生徒を送る学校にも就業率で序列が決まる。その学校を評価する教育庁もまた…と全てはノルマ・順位・補助金・数字数字数字…人一人が死んでも気にするのは組織の体裁と自身の立場。許せねえなと思う奴も結局は上からの圧力に逆らえずコントロールされている傀儡。地方の教育庁のおばちゃんが皮肉混じりに言っていた「我々に言ってもしょうがない。次は中央の教育庁に押し掛けるか?」というのは悲しいけどその通りで、噛みついても噛みついても、本当に腐っている芯の部分には届かない。
警察も自殺で結論が出てしまったらその背景まで追うことはしない。
会社へのヘイトは当然として地味に両親も良くない。娘の異変に「気付かなかった」なら悲しいが仕方ない。しかし気付いた上で見て見ぬフリというか、とにかくソヒに対して全く真剣じゃなく色んな態度が不誠実なように思えてしまう。そのくせ自殺を知ったとき、自分達の行動は微塵も省みず、誰かを責めることで頭がいっぱい。社会が歪んでいても家庭さえまともなら…と思わずにはいられない。
最後のダンスの動画がしんどい。死んでしまった人間が活発に動いているところを見るとなぜか申し訳ない気持ちになる。
なにかが解決するエンドではない。物語の続きは現実に託されている。
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