六四二

同じ下着を着るふたりの女の六四二のレビュー・感想・評価

同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)
4.2
この映画で女性に抱く幻想は木っ端微塵になる。新海信者のぼくちゃんたちを打ちのめす強烈な一本である。20代後半の独身娘とその毒母のヒリヒリするような日常を描く。
あるとんでもないことが起きて、普段からうまくいっていない親子二人に決定的な溝ができるのだが、それをきっかけに拒絶しあうと思わせて、つかず離れずの関係が続く。その後、予定調和しそうになっても作者がなかなかそれを許さない。さてどうなるのか...
この映画のタイトルについてパンフレットで精神科医の斎藤環氏の解説があり興味深い。映画のはじめと終わりを見てなるほどそういうことかと思ったが男にはピンとこない。女性の監督ならではの視点だと思う。
終盤、母娘の家で停電が起きる。そこから怒涛のキムセイン劇場が始まる。これは映画史に残る名シーンになるだろう。忘れられない映画となった。
六四二

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