とらキチ

殺しを呼ぶ卵 最長版のとらキチのレビュー・感想・評価

殺しを呼ぶ卵 最長版(1968年製作の映画)
2.2
名作「未来惑星ザルドス」を観に行った時に「ザルドス好きなお前らやったら、きっとこんなんも好きやろ?」と言わんばかりに予告編で流れてきて、その思惑通りホイホイと観に行ってしまった作品。
巨大養鶏場を舞台にした猟奇サスペンスなのだが、時代的にモロにヌーベルバーグの影響を受けてしまっていて、ストーリーテリングなど鼻っからする気のない、粗く独りよがりな編集でグダグダと物語が進んでいく。はっきり言って訳がわからないし、意味不明。ジャケ写にある、あの車がひっくり返ったビジュアルは一体なんだったのか?ジャケ写詐欺?「ザルドス」の方がよっぽど理解できたし、わかりやすかった。
でも予告編を観ている時から思っていたのだが、“1960年代のヨーロッパ”って時点で、もう建物や調度品に内装、服装に至るまで諸々それらがとにかく素敵でオシャレでカッコイイし、映像表現的にも目を見張るものがあった。そしてヒロインであるエヴァ・オーリンがメチャクチャ美しい!
ジャケ写には
「卵が先か、殺しが先か」
なんて上手いんか上手くないんかよくわからない惹句が書かれていたり、
「資本主義の非情と人生の虚無に切り込んだ、映画史上唯一の養鶏サスペンス」
とあるのだが、全体的にそうゆう問題じゃないし、ちょっとイイ風に言い過ぎだよなぁ…と思ってしまった。
それと、世間的には1年で最もチキンの消費量が多いだろう12月にこの作品を公開してしまう…という配給さんのその意図を考えずにはいられなかった。とりあえずクリスマス🎄でチキンを食べた後に観て良かったなぁ…って(苦笑)クリスマス前だったら多分チキン食べられなかったですよ(汗)
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