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殺しを呼ぶ卵 最長版のEirainのレビュー・感想・評価

殺しを呼ぶ卵 最長版(1968年製作の映画)
2.8
「なにやらまたマニアックな作品がBlu-ray化するらしい」という情報を得て、予告編を見て、即予約!発売されたので、早速に鑑賞。

ローマ郊外にある巨大養鶏場を運営する社長のマルコは、実質的な運営権を握る妻アンナに対し不満を抱いており、同居する妻の姪ガブリと愛人関係を結んだり、娼婦に対してサディスティックなプレイをすることで鬱憤を晴らしていた。養鶏場のオートメーション化によって一斉解雇された労働者らの不満、シェアを伸ばそうとする養鶏組合、そして遺伝子組み換えによって生まれる奇形の鶏―――人々の思惑と"異常"がカオスとなる。

それぞれの伏せられた思惑が「奇形の鶏の誕生」という異常事態に触発されて動き出し、卵のように転がって最後は"割れる"、という感じなのかな?楽しみにしていた作品だったが、残念ながらあまりピンと来なかった。改めて思い返すと、「養鶏場」関係がストーリー的に重要な要素となっておらず、あくまで象徴的にしか扱われていなかった感じ。「養鶏サスペンス」と謳っているが、ストーリー的に別に養鶏じゃなくても良いんだよね。

それにしても流れるBGMの不協和音さといったらもう。特徴的なBGMと言えば、本作と同じイタリアの巨匠ダリオ・アルジェントが思い出されるが、イタリアン・スリラーの癖のある音使いはダリオ以前からなんだなと実感した。
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