Asino

ソウルに帰るのAsinoのレビュー・感想・評価

ソウルに帰る(2022年製作の映画)
4.3
フランス人として育ったフレディの、ソウルでの時間を映す。
「初見視奏」という冒頭の言葉が最後に回収されていくところがすごく好きだった。
人生は先の分からない冒険の連続。誰から生まれ誰と出会おうと、結局は自分の在り方。という話なのかも。

試写で見てから数日、なんとなく主人公の顔が頭から離れない。
もちろん、韓国から赤ん坊のうちにフランスに養子に出された女性のアイデンティティについての話なのだけど、同時に、20代後半から30代にかけての主人公の様子を断片的に見せられ、語られないことが多いのにすごく自分の過去のことが脳裏をちらつく。
親の世代のやることがものすごく気持ち悪く見える20代半ばや、自分自身に絶対の自信があるようでいてもろい20代後半、そして30代に入って落ち着いたように見えて、ふとした一言で恋人を切って捨ててしまう衝動に走りもする。
まるで自分の過去を見せられているような居心地の悪さと懐かしさを感じた、というのはこの映画の感想としてはふさわしくないのかもしれないけど。
でも、今回圧倒的な存在感で本当に演技初経験??と驚かされたパク・ジミンのふくれっ面に共感した女性は多いと思うんだ。
スクリーンでまた見に行きたいな。
Asino

Asino