せっ

NOCEBO/ノセボのせっのネタバレレビュー・内容・結末

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます


子供服のファッションデザイナーとして活躍しているクリスティーンがある日ノミまみれの汚い犬に遭遇したことから、精神が不安定になり、フィリピンから来た使用人の謎の呪術でさらにかき乱される話。

前作の『ビバリウム』の若い夫婦にふりかかる不幸は明確な理由もなく目的も不明だったけど、今回主人公クリスティーンがターゲットとなったのには明確な理由があり、降りかかる出来事も伏線になっている。だから前作のような、不気味さ気持ち悪さは少し減ってはいる。

でも、フィリピンやベトナム製と書いてある服を着てこの映画を観に行ったからには、今もどこかで過酷な労働を強いられている現地の工場の人々と自分が繋がっている感覚になるし、自分の服が今にも燃え上がりそうな着心地の悪さを感じる。

クリスティーンがターゲットとはいえ、そういう大量生産された安い服(クリスティーンの服は高いかも)の恩恵を受けている私達にだって当然ふりかかりえるホラー。『ビバリウム』も人間が家族を持って死んでいく普遍的なことを恐怖として描いていたわけで、この監督は他人事じゃねえぞと煽ってくる鬼畜さがあると思った(笑)

赤い靴とか服やカーテンが多用されていて、実は主人公にとって赤こそ本当に信じるべきものだったことが分かるラストもゾッとする。足だけ残ってるのオズの魔法使いみたいだったね。

犬が嫌いな私として、今回のノミまみれ狂犬はついにバイオハザードのゾンビ犬を超えました。
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