ポスターを見て不穏そうだということと、ビバリウムの監督ということでやっぱり不穏だろうな...ということ以外ほぼ情報を入れずに観に行ったこともあり、観ている間中ずっと先が読めなかった。
そして、自分が想像していたものとはかなりかけ離れた内容でしたが、嫌さとしては想像以上でかなり気持ちが悪かったです。生理的に受けつけられない気持ちの悪さ。
「この薬を飲むと夜ぐっすり眠れるようになりますよ」
そう言われて偽薬を処方され、それを服用したら不眠が解消した...といういわゆる『プラセボ効果』は比較的知られているかもしれませんが、タイトルにもなっている『ノセボ効果』というのはあまり馴染みのない言葉かもしれない。
ノセボ効果とはプラセボ効果とは反対に、偽薬でありながら副作用の症状が現れることを言う。
要するにどちらも思い込みってことだと思うけど、思い込みって良い方にも悪い方にも転ぶ可能性がありますよね。
これは多分、あまり情報を入れずに内容も知らずに見観た方が面白い作品だと思うのでストーリーには触れませんが、「女神の継承」的なじっとり感と(内容は全く異なる)虫(ダニ)を使った描写の絶妙な嫌悪感、そして社会問題が盛り込まれた1ミリも救いのないお話...みたいな感じでした。
冒頭のシーンが最後きれいに回収されるところや、うわ~何ひとつ救いがないな!っていう結末も割と好き。
オープニングからタイトルの出方、クレジットの赤い文字、エヴァ・グリーンの赤い口紅と赤いハイヒール...と色の使い方も良かった。
夫役でマーク・ストロングが出ているのも知らなかったので、おぉ!ってテンション上がったし、やっぱり必要最低限の情報のみで映画を観るって良いなと。
ビバリウムより分かりやすく伏線回収もきっちり。そして、絶妙な嫌さ。
2023年の映画納めとしては悪くなかったと思います。
なんだかうっすい感想になってしまったけど、不穏な映画が好きな方は是非。