くらげ

最悪な子どもたちのくらげのレビュー・感想・評価

最悪な子どもたち(2022年製作の映画)
3.8
「複雑な映画だから理解できる子にやって欲しいんだ」

ずっとメイキングが続くので、いつ完成した映画が観れるのかと待っていたら、映画を撮っているところを撮った映画でした…。
理解できてないのは私だった…😵‍💫

え、あの監督は本当は監督じゃないの!?
スタッフも俳優なの!?

本当の監督は2人の女性なのか…
まんまと騙されてしまったのでもう一回最初から観たい…

子ども達の目力がとにかく凄くて圧倒された。喧嘩のシーンで本気になっちゃって止まらなくなっちゃうところとかちょっと怖かったのに、あれも演技なの…?
リアル過ぎるわ…

じゃあ弟は死んでないの?
いじめっ子も嘘なの?

問題のある子ども達をオーディションでキャスティングしたということで全部リアルに見えちゃう構造を巧みに利用して混乱させられるのが面白い。
監督自身もまだメジャーじゃないし、他の役者さんも全然知らないから余計に分からなかった。
(私が知らなかっただけで、監督役の人は結構いろんな映画に出ていました。監督業もされているので抜擢されたそう)

🎬🎬🎬🎬🎬

それにしても「問題のある子ども」という制約の中でよくこんな印象的な子ばかり集めたなと思ったら、アフタートークによると監督役のお二人は元々キャスティングディレクターで、自分達が凄く才能があると思って選んだ子を監督が起用しなかったので、自分達で映画を作ることにしたのだとか。

公開オーディションだけでなく、支援機関や養護施設などを訪問してたくさんの子どもたちをオーディションしたそうです。

オーディションで出会った子ども達のエピソードを取り入れて練り上げて作った脚本なのでアドリブは一切無しとのこと。
つまりあれもこれも全部完全にセリフなのね(そもそも名前が違うから完全に役なんだけど)。

演技上手すぎませんか⁉
「最悪な子」じゃなくて「恐ろしい子(by月影先生)」だよ…

暗い内容の中に明るさや楽しさも感じさせたかったので撮影地は違う場所にしたそうですが、建物の色彩や壁紙などがとても印象的で画作りにはっとするシーンが多かったです。ラストのカフェのシーンは本当に美しくて、その後のバスのシーンとのコントラストにぐっと来ます。

子どもたちは撮影後も演技の道に進もうとオーディションを受けたりしているそうで、特にリリを演じたマロリーちゃんは既に4本目の撮影中で、街中でポスターを見かけるほどの大躍進だそう。
監督たちも撮影後もサポートを続けているそうです。

それにしても劇中劇の内容がめっちゃ気になる。ラストのあれは何なの???
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