まさ

⻘いカフタンの仕立て屋のまさのレビュー・感想・評価

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)
3.4
末期癌に蝕まれる中年ミナと同性愛を隠して生きるオジさんハリムの夫婦が営むモロッコの小さな仕立屋。そこに8歳から一人で生きてきた青年ユーセフが弟子入りしてくる。ハリムは発展場となっている公衆浴場に行き、ガス抜きをしながら自我を保っている。ミナはハリムとユーセフの関係が発展していくのを牽制しながら、持ち前の気の強さを随所に見せるも次第に弱っていく。3人の共通点と言えば、「ハリムの最高傑作」とミナに言わしめる刺繍を施した青いカフタン。それが完成し、お客に渡さず最も価値の有る使い方をし、エンディングを迎える。視線の交差や沈黙を多用し行間を読ませる構成は、万国共通なのかいろいろ考えさせられる。画面も物語も終始暗いが、ユーセフの好感の持てる真っ直ぐな気持ちに救われた。
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