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レーチェル レーチェルのENDOのレビュー・感想・評価

レーチェル レーチェル(1968年製作の映画)
4.3
ニューマンを見る目が変わる。妻を主演させてこの辛辣かつ繊細な視点。30代半ばのおぼこい女性レイチェル(ジョアン・ウッドワード)に寄り添った物語。

冒頭のふれあい妄想インサートから相当面白い。過去と現在が錯綜する演出もいい。カットを割るといきなり子役に入れ替わるレイチェル。

常にキャメロンを子ども扱いする母親主催のブリッジ・ナイトにうんざり。おばあちゃん4人はクローデット・コルベールとマルグリット・クラークの髪の毛を絶賛!(何歳なんだ?)

学校の同僚カラに誘われ福音派かカルトかわからない集会に参加。異言を放つ男によってトランス状態にされ、落ち着く間もなく暗がりでカラにキスされる。ちょっとストーカーになるカラの孤独。

亡き葬儀屋の父親のまとう香りはホルマリン。恋人がエンバーミングされる夢を語るレイチェル。1階にいる葬儀屋ヘクターの店内コンセプトはジャポニカ式(どこが?)。助けを求めても美味しい店を紹介するしか能がないヘタレなヘクター。

初めて寝た男ニックが語る虚実混交にレイチェルでなくとも困惑。仕事も家庭も謎に包まれている。SEXのあと「次に会う時はオムレツ作るわ」と鼻息荒くしたレイチェルは別れ際に「卵が腐る前に会いましょう」と叫ぶ。何という台詞。その後2度と画面に登場しないニック。蜃気楼。

妊娠かと思いきや嚢胞。術後、冷静になってコネチカット州からオレゴン州へ人生初のお引越し。母を置き去りにしても実行しようとする。初めて自分自身を尊重したレイチェルの幸先は何もわからない。地平線を目指す、まさにアメリカ映画。自主字幕。
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