camuson

薔薇の名前のcamusonのレビュー・感想・評価

薔薇の名前(1986年製作の映画)
4.2
原作を読んでから見ようと思って、
原作を5年以上前に購入していたのですが、
ちょっと読んでる暇が無いので、映画から見ることにしました。

世間から断絶した修道院の禁欲世界。
抑え込むからこそ、その裏側に渦巻き、蠢く欲望。
およそ人間離れした異形の形相の修道士ら。
その中にあっては、ショーン・コネリーが、
思わず頬摺りしたくなる愛玩動物のように可愛く感じられるから不思議。


ディテールが醸し出す雰囲気は最高です。
ただ、フィルムグレインがかなり強いので、
明るい空や、全体的に白い靄がかかるシーンに切り替わったときの
瞬間的広がり感・奥行き感が減じられるのが少し残念な気はします。
修道院内のシーンでは、むしろ画面が落ち着いて良いのでしょうけど。


お話しとしては、大して驚くところもなく、
西洋版の犬神家(犬神家ほどの外連味はなし)という感じでした。
camuson

camuson