わんわん

薔薇の名前のわんわんのレビュー・感想・評価

薔薇の名前(1986年製作の映画)
5.0
中世だから背景も汚く、出てくる人の人相もやばかった。だけど全て調和していてとても美しい絵になってる。

でも映画のタイトルが怪しい
う?薔薇の名前?名詞に名詞?

この変なタイトルはなんなん?映画見終わって調べたらどうも有名な話だった。

例え世の中の薔薇は全てなくなって
薔薇の香りはもう存在しなくなっても
薔薇という名前は残る。
っていう記号学的な話らしい。

つまり物事と事実は、言葉と文字は独立な存在であり、実際の所は無関係。
しかしある単語知るには、他の単語から間接的に理解するしかない。文字から文字、本から本という無限ループ地獄😱

いくらやっても所詮間接的。
意味の意味をどう説明するのこれー
それなのに文字を理解できるのは不思議なもんだ。

劇中に出てくる信者たちが神や教会について議論するが、答えのない記号にみんなポジショントークして好き勝手に解釈。
まして殺人までも起きてしまった。
強い信念を持ってるみんなこの状況では変えて何か間違えてるように見えてしまう。

逆に若いアドソのうまく説明できない動揺と悩み、貧困で未開な村人のショボい言葉と原始な生活の方がまだリアルで感情で共感できる。

アドソと村の娘の間に起きたことも言葉で言うと変質してしまいそうだけど、、

交流できる言葉お互いにない
触れ合いと匂いを感じる二人
何も考えずに、時間が流れ身を任せて愛し合うだけ
これほどピュアでシンプルで美しく雑物のない会話はないだろう。究極な状況限定ラブだ🫶

結局のところ、人が発明した言葉と文字という道具は、真実と幸せを導いてくれるのか、今となってただ邪魔してるだけなのか

好きな子と適当に喋る時は話安いけど、
いざ好きとか本音とか言葉で言うってなると、どうしても何か違和感を抱いていい辛いのはこういうことなのかも
わんわん

わんわん