FutosiSaito

薔薇の名前のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

薔薇の名前(1986年製作の映画)
4.8
 今までで、最も読んでいて興奮した本。記号学者ウンベルト=エーコによる傑作推理小説で中世キリスト教ミステリーで、その映画化!
 これだけ面白いのに、一緒にその小説について語る人が身近にいなかった。
 だが、2018年9月、遂にETV『100分de名著』にて取り上げられ、あらすじの紹介シーンにこの映画が引用されている。
 暗いトーンの画像に、不気味で異様な教会の人々のメイク。
 迷宮構造の教会の図書館も、世界観がみな抜群だ。
 頭脳明晰で理路整然と謎を解いていくウィリアムズは、原作のほうが文章で説明されるがゆえにそのキャラクターがわかりやすいが、ショーン=コネリー、当たり役だ。
 また、「ワトソン」をもじった助手の「アドソ」役クリスチャン=スレイターも、初々しくすばらしい。
 ジャン=ジャック=アノー監督の悪趣味なところも含めて、原作ともども好きな映画だ。
 「薔薇の名前」の由来も、感動的ですらある。
 
 
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