叡福寺清子

M3GAN/ミーガンの叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

不慮の事故でご両親を亡くされたケイディさん.身を寄せたのは,おもちゃ会社に勤務する叔母のジェマさん.そのジェマさん.仕事の傍ら人工知能搭載人型ロボヒューマギア〈タイプ:ミーガン〉の開発を行っておりました.子供に寄り添う事に特化したミーガンは,一瞬でケイディさんの心を解きほぐし,親友・・・いや親以上の存在となりますが・・・

『ターミネーター』やリブート版『チャイルド・プレイ』を持ち出すまでもなく,機械やAIの暴走を描いた作品は数多ございますし,これからも製作され続けるでしょう.もちろん,時代時代に合わせて,暴走する側の形というのは,変化し続けるでしょうけども.

で本作.とにかくミーガンというヒューマギアを産み出したのは,本作最大の功績でしょう.ヒューマギアならではの,人体構造を無視した動き(巷では奇天烈ダンスが注目されているようですが,個人的にはいじめっ子の森の平臥からムクリと起き上がるあれが最強),良心回路未搭載故のノーマーシー等々観ていて,「こりゃ楽しいわ」ってなるのも納得でございます(スーパーカーの超絶テクニックが視聴できなかったのはちょっと残念ですが).すでに2.0の製作も決まっておりまして,例の産業スパイが持ち出した情報から別のメーカーがミーガンを製造するお話なのかどうかは不詳ですが,ジェマさんとケイディさんは,続投っぽいです.IMDBにそう書いてありました.

反面,物語としては暴走AIモノの範疇を超えた収穫は乏しく,『ロボ・ジョックス』・・・じゃない『リアル・スティール』展開も予想されていたものでした.
そもそも最新テクノロジー搭載のヒューマギアとはいえ,基本玩具に遵法義務のコードを書いていないの問題だし,音声コマンド入力による強制シャットダウンやリブートもしくは初期化機能を搭載させなかったジェマさんは,間抜けな人物だと思われます.だって始終子供と接して会話を続けていったら,何を学習するかわかったもんじゃございませんから,その辺りの安全装置って必須だと思うのですがね.

学習といえば,ケイディさんが体験入学したオルタナティブ・スクールのいじめっ子.母親は意識高い系の理想論蘊蓄語りたガールで,「うちの子は普通の学校の枠に収まらないのよ」なんて言っておりましたが,なんの事はない.ご自身が躾の1つも真っ当にできなくって,一般校に通えないただの糞餓鬼でしたぁってのは,かなり好きな部類になります.あぁいう糞餓鬼を早めに処理したミーガンさんを私は支持いたします.

なおAIの暴走を描いた作品では,下ネタどっぷりなコメディ『ジェクシー』か,ぴちの字女の子とぴちの字AIの惨殺漫遊記『デス・アシスタント』をお勧めいたします.でも前者は誰も死なないから注意な!その代わりに花澤香菜たん(恋柱の中の人)のお下劣単語連発だから楽しいぞ!