コマミー

M3GAN/ミーガンのコマミーのレビュー・感想・評価

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
3.7
【無償の愛、そしてその代償】

※途中、ミーガンの中の子の説明がされていますが、結構いろんな所で明らかになってる事なので、知りたくない方は本編鑑賞後にグーグル大先生などで調べてから本レビューを閲覧下さい。



"ジェイソン・ブラム"と"ジェームズ・ワン"と言う、「インシディアス」コンビが製作に携わった作品と聞いて更に、この"ミーガン"の佇まいも共に気になって仕方がなかった。
まさに現代版「チャイルド・プレイ」だし、これは日本でも大ヒットするだろうなと確信したので楽しみで仕方がなかった。

良く"無償の愛"と言う言葉を耳にすると思うが、ミーガンの存在は事故で親を亡くした"ケイディ"にとって、育ての親でミーガンの開発者である"ジェマ"が仕事で手がつけられない間に代わりに"愛を与えてくれる存在"なのである。
しかしそれにも終わりが見えるし、ミーガンは大人達の"エゴの集合体"が形となって作られたもの。そしてミーガンの狂気が露わになると、ケイディから引き剥がそうとする。

なんかこのミーガンとケイディ、そしてジェマを見てると、いろいろ考えさせられた。それと同時に、そんな大人達のエゴや途中登場するケイディを苛めようとする"いじめっ子"、そして飼い犬の狂気性を野放しにする"近所のおばさん"の方がよっぽどミーガンより恐怖をおぼえた。ケイディを取り囲む人間があまりにも"傲慢と怠惰の塊"のような人が多くて本当に不憫だった。ラストも、ケイディの心情を考えると、私はやるせなくなった。子供と大人のエゴの関係性について考えさせられる重要な作品になった事は間違いない。

そしてSNSなどで話題になっている"ミーガンダンス"なのだが、奇妙なのだがホラー映画にまず入れる事のない"可愛さ"が詰まっていて良かった。ミーガンの"中の女の子"も実際に"競技ダンサー"である為、柔軟性もとても美しかった。
そしてジェマを演じた"アリソン・ウィリアムズ"の演技が今回も絶妙に不安感を漂わせていて、改めて彼女はホラーやスリラー向きな女優だなと感じた。

怖いと言うより考えさせられる作品なので、ホラー映画が苦手な人もある程度楽しめる作品になっていたが、日本で公開されたのはR15版である為、R18版だとどうなるのか気になる所だった。もう少し際どいのだろうか?あと、ミーガンのダンスももう少しゆっくり見たかったなとも思ってしまった。

いつものブラムハウス作品の雰囲気を期待しているのなら、鑑賞はオススメしません
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