恐ろしくおぞましいのは確かなのに、チャーミングさが勝るミーガンのキャラクタ・魅力に尽きる映画でした。シンプルにライトなホラーとして楽しみました。
物語は、うまく姪との関係を築けない主人公が、ちょうど開発中だったアンドロイド＝ミーガンをプレゼントするものの、ミーガンは予想外の成長と行動を見せていくというオーソドックスな展開。物語としては意外性は全然ありません。この二人がやがてミーガンとの対決を経て和解や協力に至るんだろうな、と序盤で簡単に察せられてしまうので、話としては平凡かなあと感じます。
それでもミーガンのキャラクタ性の強さが加わり、映画としては面白く観れました。知能がずば抜けて、愛くるしい風貌ながら、アンドロイドらしく機械じみた動作や音声で動く。
このミスマッチが最初はかわいらしくいとおしく、やがて空恐ろしいものになっていくんですが、困ったことにこの「かわいらしさ」は、終盤まで残り続ける。
やってることはやってるものの、チャッキー人形のようなおぞましさ、残忍さの塊とまではいかないのです。だからホラーのアイコンとしてはもう一つインパクトに欠けるんですが、風変りな所作があまりにもキャッチーなものだから（ダンスは明らかに余分で遊びな部分だけどあれがイイのも確か）、多くの人に受け、ホラー界隈以外でも支持されている、そんな風に感じました。
良くも悪くも、タイトルがいろんな意味ですべて、という映画でした。
