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M3GAN/ミーガンの熊犬のレビュー・感想・評価

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
3.3
【バイオハザードよりディノクライシスの感覚…って言って伝わる人がどれくらいいる?】

原題 : M3GAN

交通事故で両親を失い、叔母のジェナに引き取られたケイディ。心に傷を負った彼女に、ハイテク玩具の開発者でもあるジェナが与えたのは"Model 3 Generative Android"、略してM3GAN、通称ミーガンという開発中のAI人形だった。
子供と接する事に慣れていないジェナはミーガンに「あらゆる事からケイディを守るように」と指示をして世話を任せっぱなしにする。しかし次第にケイディがミーガンに依存し始め、ミーガンもまたAIなりの論理で持ってケイディを守り始める。その行き過ぎた行動が予想外の事態になっていくまで…
…な映画。

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ホラーとしてはもの凄いライト。見やすいホラーというか、ジャンルの段階からちょっと違う気もする。頭に書いたけど、バイオハザードとディノクライシスくらいのジャンルの差(分かりづらい)。まあ、AI/ロボットという装置を使ったスリラー映画、といった感じですかね。

この映画の見どころはどこにあるかというと、やっぱりミーガンというキャラクターですよね。
ここに魅力があるかどうかがポイントで、ここに魅力があったからヒットしたのかなと。

まずAI特有のフラットさと無垢さが混ざった様な話し方。不気味の谷でいうと、まだ不気味側にいる風貌。無感情な表情。AIならではの極端な論理展開。そういったAIの基本を押さえつつも、それでも少女の背格好をしているアンバランスさが新しい時代の悪役って感じ。
チャッキーだと感情がありすぎ、HAL9000だとメカメカしすぎ、うまい事中間を取れるのが現代のAIに対するイメージなのかな。面白い。

そしてやっぱりミーガンの動き。これはエイミー・ドナルドというダンサーを見つけて来た制作陣のお手柄。決して人間ではない(と思えるほどの)不気味な動きを、あの風貌でああも表現されたら、印象に残りますよね。そして例のダンスも。あれはやっぱり印象にバッチーンと残る、キャラクター映画の真骨頂。

面白かったんだけど、気になるとしたらほとんどの要素を予告編で既に観てた気がしてしまう。
あと、ミーガン or メ―ガン問題ね。個人的にはメガン、だと思うんだけど…

■本日のビール『AI-P-A』
醸造所:Night Shift (アメリカ/マサチューセッツ)
2023年はAI醸造元年とも言えるくらい世界でAI醸造が行われていて、日本でも先日デッド・レコニングで書いたうちゅうブルーイングがAIを使ったレシピ作りを行ったビールをリリースして話題になった。他国でもいくつか出ていて、ビールの最先端を行くアメリカでは代表的なところだとナイトシフト醸造所がスタイル、レシピ、名前やラベルまでをAIに作らせたビール"AI-P-A"を出している。2024年版も出していたので、レギュラー化するのかな。いつか飲んでみたいな(飲んだことは無い)。
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