ヘソの曲り角

M3GAN/ミーガンのヘソの曲り角のネタバレレビュー・内容・結末

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

マジでロードショーで行かなかったの後悔。予告のダンスとかでトンチキ系なのかと勘違いしたけどめちゃくちゃ細部にこだわりがあって不快感をずっと醸し出しつつテーマは真っ当かつブレずにやり切ってて、なおかつ終盤の展開がアツすぎた。超ブチあがる。カーペンター「クリスティーン」感もわずかながらある。

おもちゃ会社で開発してる叔母のジェマが主人公。彼女の周りの人間がまあ酷い。デリカシーのないヒステリック隣人や恫喝系上司など。他にもいじめっ子体質のクソガキも。このようにまんべんなく出てくる不快人員がちゃんとミーガンに消されていくから爽快。ミーガンの過保護すぎる推移も丁寧。

そもそもケイディとミーガンが邂逅するまでの描写も丁寧であり、ここでケイディはタブレット触る時間は制限されてて学校行かずに親に勉強教えてもらってて、なおかつコップをコースターの上に戻さなかったりトイレ流さなかったりとそこはかとなく両親の教育の歪みを感じさせる。そのうえで、バリバリ働いててミーガンでひと山当てようとしてたジェマが引き取ったはいいもののケイディの面倒を全然見れずセラピストにも呆れられる始末(ここでのセラピストの配慮のないブッタ切り方もなかなかしんどい)。そこで仕事の話に乗っかってきたケイディにミーガンをあてがうことで生活がうまく回りだしたかのように見えたが……。ケイディもいくら両親亡くしたとはいえ態度デカくてそれなりにイラつかせてくるのもまたいい。

「子どもを無条件に守れ!」映画でもなければ「ガキは勝手に育ってろ!」映画でもなく保護者、被保護者お互いの至らなさを理解しつつやっていきましょうや、という形になっていて私は受け入れやすかった。

それでいて本作のすごいところは真っ当に感動・興奮しちゃう場面で急にミーガンが歌いだしたり踊りだしたりしてちょけるところ。その度に「…! B級として見てほしいのね〜」と涙が引っ込んで笑いになった。

ブラムハウス、ジェームズ・ワン制作の布陣はさすがですな。脚本のアケラ・クーパーもマリグナント参加してるから間違いない。