日本のお家芸とも言えるヤンキー喧嘩映画ですが少し乱立しすぎて食傷気味ではあります。
品川ヒロシ監督の映画のスピンオフですが前作、原作ともに未見です。
直近に「東京リベンジャーズ」の大ヒットがある為にどうしても比較してしまいますし、原作がどちらが先かは分かりませんが既視感と言いますか二番煎じ感がありまし。
その大きな理由は斬人の総長のアッちゃんと東リベのマイキーの被り具合です。
金髪で小柄で中性的で子供っぽい行動をするが最強という設定を見るにつけ「特攻の拓」のマー坊くんの影響の大きさを再確認できます。
あと「IWGP」の窪塚洋介の。
日本におけるヤンキーバトル物の極北に位置する「HiGH&LOW」シリーズ程の振り切りもなく「東京リベンジャーズ」くらいの設定のトリッキーさもありません。
このジャンルのエポックメイキングだった「クローズ」の直系という感じなのですがやはり既視感がありイマイチ乗り切れません。
ストーリーやキャラ配置がヤンキー物のお約束だけで構成されているので詳しい説明なしで雰囲気だけで理解していけるお手軽さがあります。
監督してみせたいのはアクションとカッコいいキャラ達の紹介シーンだと思います。
誰かがこのジャンルと1番近いのは特撮ヒーロー物だと言っていましたが今作は名乗りとアクションこそがキモでした。
主人公の井口に魅力がないのも致命的です。彼が喧嘩ができないという縛りがただストーリーのテンポをスローダウンさせているだけなのも問題です。
「コイツはバカだけどクズじゃない」と言うセリフを連呼しすぎるのもダサいのですが主人公わりとクズでしたしね。
ヒロインの描き方が平成どころか昭和かと思うほどに旧時代的すぎて現代にコレはないんじゃないかと思いました。
コイツがすぐに手を出すしトラブルメーカーなんで好感度も低いのも問題です。
アクションシーンは良かったです。
「ハイロー」や「牙狼」でアクションコーディネートをやっていた富田稔の手腕だと思います。
品川監督は今までは「クローズZERO」をやりたかったのが今作は「ハイロー」をやりたかったんだなとアクションやら音楽やらから感じました。
今作では安倍役の水上恒司は良かったです。
監督の伝手というか吉本制作なのでしょうがお笑い芸人を出して現実そのままのテイストのギャグややりとりさせるのはやめて欲しいです。
そのせいで今作は序盤の段階でかなり興味が削がれてしまいました。
あとコミックをめくる演出の場面転換やシンクロはクソダサかったです。
それやったら漫画よんだらいいやん。