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To Leslie トゥ・レスリーのumisodachiのレビュー・感想・評価

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)
3.7


宝くじで大金を当てたシングルマザーのレスリーは、わずか6年で金を使い果たしてアルコール依存症に陥っていた。モーテルも追い出され、別の町で暮らす息子の元に厄介になるも、約束を破って追い返されてしまう。しかし、元居た町の人々は彼女に対して冷淡で……。

とにもかくにも、レスリー役アンドレア・ライズボローの熱演が光る作品。ほとんどホームレス状態で骨と皮のようになっている冒頭から、少しずつ変化していく様子、アルコールを前に葛藤する様子など、1秒1秒に魂を込めているとしか言いようがない密度の高い芝居で、それでけでも観る価値があると思う。

ストーリーは良くも悪くもアメリカ映画らしい。どん底まで落ちた人間であっても見捨てない、誰にでもチャンスはあるという希望が芯にあるので、受け取り方によってはかなりのご都合主義に見えるだろう。っていうか、完全にご都合主義だよね笑 途中かなり強引な出会いもあるし、結局男に助けてもらうんかい!ってのも寒いっちゃ寒いし。

でも、人生って結構そういうものなんじゃないかな?とも思うので、これはこれとして素直に受け取るのもありなのかもなあと。「やれやれ」と思いつつ、息子が絡んできてしまうと堪えることができず、最後は素直に涙を流してしまった。

むしろ、非現実的に感じたのはレスリー以外の部分。というのも、レスリーに最もキツく当たる人物としてアリソン・ジャネイが出てくるのだが、存在感がありすぎて笑 こんな田舎の町にこんな人、いる!?本当に??というくらいの物凄い迫力で、彼女が出てくるシーンだけ異様な緊張感が漂っていた。結局、頭に残るのはアリソン・ジャネイの顔になってしまっているという……もうちょっと普通に田舎にいそうな役者をキャスティングしてー!








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