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銀平町シネマブルースのDのレビュー・感想・評価

銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)
3.0
2023年 8本目

2日前にバビロンを見たばかりなのに、まったく違う角度から映画への愛が飛び込んできてちょっと動揺した。ていうか小出恵介めっちゃ久しぶりに見た気がする、、お前今まで何してたんだよ?(煽り)

借金まみれで潰れる寸前の映画館を舞台に、映画好き達が織りなす人間ドラマ。バビロンのように映画に全てを捧げてきた映画人が波乱万丈な人生を送るとかそんな大それたもんじゃない。ただ映画が好きで、ただ映画のそばにいたい。そんな等身大でゆるい物語が妙に居心地よくて、ずっと観ていたい気持ちになった。

現実問題、映画館は次々と閉館している。ただでさえ人足が少なくなってきていたのに、コロナ禍が更に拍車をかけた。自分は生まれたときから都内の高級住宅街に住む生粋のシティボーイだったので、映画に出てくるようなボロボロのミニシアターはご近所にはなかった。ただ小学生に入る前から父親にはよく映画館に連れてってもらっていた。だから、物心ついたときには映画館に行くのが趣味だった。でも、中でも強く記憶に残っている東映アニメフェアを上映していた渋谷TOEIはつい最近潰れたし、10代後半から20代前半までにお世話になっていた渋谷の映画館はいくつも潰れた。本当に気づいたときにはなくなっていて、あそこはいい映画やってたな、もっと行っておけばよかったな、と閉館してから思う。「これ以上潰れてしまわないようにもっと映画館に行けバカどもが!」とまでは思わないが、やっぱり映画館で見る映画は格別だし、この映画でも言われていたように、席を立てなくなるぐらいの衝撃作に出会った興奮は一生忘れない。逆に名作を映画館で見逃してしまったときは本当に後悔する。だからこそこれからもなるべく映画館に足を運びたいと思った。そんな映画館の大切さを改めて伝えてくれる映画だった。

宇野祥平が名言飛ばしすぎてて笑えた。それにしても城定秀夫の多作っぷりは改めてヤバイな。。。
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