kazマックスグローバーレッド

カンフースタントマン 龍虎武師のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

4.0
今年初の劇場映画鑑賞は香港映画黄金期のカンフー映画に出演したスタントマンたちのドキュメンタリー作品。危険な仕事で「ノー」と断われば明日から仕事がなくなるスタントマン。

『プロジェクトA』でジャッキーが時計台から落下する一大スタントでは、ジャッキーと背格好がほぼ同じの弟分マースにまずは実験台として落ちてもらって、彼が死ななかったらジャッキーがいざ本番に挑むというまさにマースの実験マウスぶり。

『ファースト・ミッション』では建設中のビルでジャッキー刑事仲間の一人チン・カーロッが悪党どもに手榴弾を投げつけ彼らは爆風でビルの外に吹っ飛び落下、そのスタントを兼任するのは手榴弾を投げつけた御本人チン・カーロッ。

ユン・ワーのブルース・リーとのエピソードやラウ・カーリョンの完璧主義、映画スタジオのショウブラザーズとゴールデンハーベスト設立の全盛期からカンフー映画の衰退など香港映画史や時代背景がとてもよく分かり、1980年代からリアルタイムでカンフー映画を見てきた自分にとっては胸の熱くなるドキュメンタリーでした。
マースが今はなきゴールデンハーベスト社スタジオ跡地を巡るとこや霊験道士様ラム・チェンインの紹介は特に胸熱だったな。

このドキュメンタリーを見るにあたって、特に『五福星』『大福星』『ファースト・ミッション』『七小福』『ドラゴンロード』を鑑賞するとさらに楽しめます。自分は90年代後半から香港映画離れをしてたのでこの年末年始に『ワンチャイ1&2』『アイアンモンキー』『導火線FLASH POINT』を鑑賞して香港映画三昧でした。


「ジャッキーやサモ・ハンはもちろん凄いけど、本当に凄いのは縁の下で彼らを支えてるその他大勢の名もなき"やられ役"スタントマンなんだよ」と普段からカミさんに力説してまして、このドキュメンタリーを一緒に見に行ったのでようやくそのことが分かってくれたのは何よりの収穫かなと。