KingKazukiManji

カンフースタントマン 龍虎武師のKingKazukiManjiのレビュー・感想・評価

5.0
小学生の頃、ジャッキー・チェンの『 プロジェクトA』を観て、ものすごい衝撃を受けたのを今でも覚えている。銃器をぶっぱなすのが主流だったハリウッド映画にハマっていた当時の自分にとって、生身のアクションはとても新鮮だった。それからというもの、ジャッキー・チェンを初め、三銃士であるサムハン、ユン・ピョウの映画を見漁ったものだ。それこそ失敗した映画や成功した映画を含め貪欲に観まくったものだ。だからこそ、ある程度香港映画やスタントマンについて知った気でいたのだが、改めて彼らのスタントに対するえげつなさというものを肌で感じれた気がする。

しかもスタントマンたちを賞賛するに踏みとどまらず、香港スタントマンたちの生い立ちや、歴史、成功、そして衰退していく様まで描き切っているのが素晴らしい。最後は香港スタントマン協会の会長であるチン・カーロッを追いつつも、新人スタントマンたちに焦点を当て、何故彼らは衰退しつつある香港映画のスタントマンを続けるのかという命題を問うているのが実に面白い。ベテランのスターたちや、彼らの遺産を継ぐ若手たちの信念も感嘆に値するもので、スタントマンという生き方を選んだ彼らの命題に対する回答のようにも思えた。

また、当時の香港の経済的や民族的な歴史とも照らし合わせて進んでいくプロットが素晴らしかった。

やっぱり全てCGに頼らず行う生身のアクションはカッコいいものだし、リアリティが凄い。

いやー、しかしながら当時のサムハンは聞けば聞くほど狂っていたなぁ。
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