Kamiyo

イヴの総てのKamiyoのレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
4.2
1950年”イヴの総て” 監督.脚本ジョセフ・L・マンキーウィッツ
実在の女優のモデル実話ベースの小説が原作ということで、
内容もかなり現実味を帯びてくる
第23回アカデミー賞作品賞受賞作

”女性は怖い”男を上手く利用する”
儚さの裏に生臭さがあったり、
強かそうに見えてもろかったり。
女っていくつも側面を持ってるのね、
あんな凄い事を平然とやってのけたのは、“女”だからじゃなくて、
“女優”だからでしょう?そう思いたいよ・・・
女はみんな、”女優”なんすか?

冒頭 アメリカ演劇界最高の賞の授与式で幕が上がる
新進女優イヴ・ハリントンの名前が呼ばれ、賞が授与される
イヴがどのようにして賞を受賞するに至ったか、”イブの総て”が始まる。

イヴ・ハリントン(アン・バクスター)は大女優マーゴ・チャニング(ベティ・デイヴィス)の追っかけであった。
それは僅か8カ月前に始まる。
大女優マーゴの舞台を毎日見に来るみすぼらしい若い女性。
それは8カ月前のイヴだ。
彼女はマーゴの友達のカレン・リチャーズ(セレステ・ホルム)に近づき、マーゴに紹介してもらう。
【カレンは脚本家ロイド・リチャーズ(ヒュー・マーロウ)の妻】
イヴはマーゴに気に入られ、
彼女の家で住み込みの付き人として働き始める。
誰もが勤勉で気が利くイヴに好意を示す。
しかし、徐々にその気の利かせ方が鼻に付くようになり、
本性が現れ、彼女の真の狙いが見えて来る。
そこまでやるかというくらい用意周到に、周りの人間を利用して、
自分が新作の主役になれるように仕向けて行く。

演劇の世界の話ではありますが、
映画の世界の話にもダブって感じられました。
一見大人しそうに見えて、いろいろな機会をうまく利用し勝ち上がっていくイヴの姿が見事ですが、もちろん本来の才能無くしては成し遂げられないことだと思います。そして、単に才能だけでも成功しないということも教えてくれます。

終盤のイブと批評家アディソン(ジョージ・サンダース)のやりとりは、映画史上の中でも特筆すべき名シーンだ。
アディソンのセリフ
”君と私は共通点がある”
”人の気持ちを踏みにじり、愛を知らない人間だ”
”だが、つきない野望と才能がある”

声高に鳴らず、お互いの野心を認めつつ、共通の着地点を求める。
人間というものは恐いものだ。
才能のある野心家にとっては、
選択する道は限られている。上しか道はないからだ。
さらには、後続のランナーが先行する野心家たちの失脚を待つ。
いや、蹴落とす。

マリリン・モンローが端役で出ている。
若くて細くてかわいい。
彼女は、仕草や目線で観る人の目を引く方法を知っていますね。
ベティ・デイヴィスは評判通りの素晴らしい女優。
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