けーな

Dr.パルナサスの鏡のけーなのレビュー・感想・評価

Dr.パルナサスの鏡(2009年製作の映画)
4.5
テリー・ギリアムの映画は、独特の世界観があって、なかなか理解できない物ばかりだが、今作は、とても好き。今作の世界観は、理解できた。また、普段から、好きな俳優が出ていると、点数が高くなりがちだが、このキャスト陣に、点数は、どうしたって上がってしまう。

ヒース・レジャーが主演。今作の撮影中に、彼は急逝した。彼と交流のあった3人の俳優、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが、ヒース演じるトニーの代役を買って出て、別世界にトリップした部分の主人公を演じるという展開で、見事に映画を完成させた。また、パルナサス博士を演じるのは、大御所クリストファー・プラマー。謎めいた悪魔を演じるのは、トム・ウェイツ。リリー・コールも、はまり役。本当に、キャストが魅力ある人々ばかり。

また、ストーリーも面白かった。この映画では、人間の欲をテーマにしている。パルナサス博士の鏡の中は、人によって異なる欲望の世界を表現していて、とても奥深い。またパルナサス博士は、過去に、悪魔と取り引きをして、不死の体を得ているのだが、その悪魔との駆け引きも、面白い。映画のラストもいい。

人間の欲望や、永遠の生(不死)をテーマにしているために、余計に、ヒースの死を切なく感じる映画。終わりのクレジットで、ヒースの写真が写ると、涙が出てきてしまう。
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