イチロヲ

大盗賊のイチロヲのレビュー・感想・評価

大盗賊(1963年製作の映画)
4.0
海賊の襲撃により財宝と仲間を失った盗賊の男(三船敏郎)が、領主の独裁政治に苦しめられている異国の都へと辿り着く。豪胆無比な無頼漢の冒険譚を描いている、冒険活劇映画。円谷英二が特技監督を務めている。

南シナ海の小国が主なる舞台。日本人役者が外国人を演じるスタイルになっており、エキゾチックなセット撮影と衣装デザインにゾクゾクさせられる。また、後のクリエイターに与えた影響力が垣間見られるため、「インスパイアの連鎖」を感じ取ることができる。

舞台となる小国では、悪女(草笛光子)と結託している宰相(中丸忠雄)が、姫との婚姻を狙って泥沼劇場を展開。姫様(浜美枝)、女盗賊(水野久美)、村娘(若林瑛子)というフレッシュな女優陣が起用されているので、華ばかりの映像美になっている。

とりわけ、内心では主人公にときめいているのだが、強情な性格ゆえに表には出さない、水野久美のキャラクター付けが絶品。個人的には「マタンゴ」と双璧をなす、水野久美ムービーの位置付けになっている。
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