ぶみ

ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~のぶみのレビュー・感想・評価

3.0
今も響き続ける、あの日の鼓動。

東考育監督によるドキュメンタリー。
1966年に行われたビートルズの日本武道館公演において、関わった人々の姿を追う。
作品は、満島ひかりのナレーションにより、当時の関係者の証言や、現役ミュージシャン等のビートルズに対する思いを語る映像により進行。
総勢50名以上のバリエーション豊富な関係者が登場し、章立てで展開するため、ほぼほぼインタビュー映像ながら、飽きることはないし、厳戒態勢を引きながらも、当時のおおらかさが垣間見えるのは、面白いところ。
時折海外の関係者が登場し、字幕付きの映像となるのだが、冒頭がそれだったため、洋画だったっけ、と勘違いした次第。
また、私的には尾藤イサオと内田裕也の件がツボ。
私の世代としては、ビートルズが活動していたのは生まれる前であるため、リアルタイムの熱狂ぶりはわからないが、もはやビートルズの楽曲は、耳にしない日がないのではと思うくらいの認知度であり、伝説のバンドであることは言わずもがな。
特にビートルズのファンではないし、詳しくもないことから、ほぼインタビュー映像のみで構成される本作品は、ビートルズの楽曲やライブ映像が流れることを期待してしまうと、壮大な肩透かしを食うこととなるが、単にドキュメンタリー好きな私のように、そこを求めずにいると、当時の空気や文化が伝わってくるため、十分満足いく仕上がりとなっている。
また、鑑賞特典でポストカードが貰えたのは意外なところ。
前述のように、ビートルズファンには物足りなさを感じさせることとなる恐れ大だが、世代を超えて愛される伝説的バンドの偉大さと、彼等を日本でも広めようと東奔西走した人々の苦労が伝わってくる一作。

青春は台風に乗ってやってきた。

※この日は、公開二日目のレイトショーにも関わらず、観客はまさかの私一人のみ。
先日の『ファイブ・デビルズ』に続き、今年早くも二本目の貸切鑑賞でした!
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