ツクヨミ

炎上する君のツクヨミのレビュー・感想・評価

炎上する君(2022年製作の映画)
4.1
センセーショナルな旋風と濃いキャラによる突き抜け感が楽しい.やりたいことやりましたな自主映画。
予告編にて現代的で面白そうな邦画だなーって感じてた本作を見に行ってみた。
まずオープニング、キレッキレな編集で謎のストリートというか商店街ダンスをキメてオーディエンスもわんさかーな感じから、「始まりはっ!」というセリフで原始点へと立ち戻る凄みに魅せられる。そして銭湯ーっな銭湯での芝居じみた会話による笑いが生まれる謎仕様に内心草を禁じ得ないのがマジでサイコーだ。
まあ本作、40分ほどの短編なんだが濃ゆい女二人組みが自由に生きていく様を見ているだけで面白いというか。パッションで行動し謎のフラストレーションを感じると踊って開放するという古くは"ウエストサイド物語"から"インザハイツ"までのミュージカル感を現代的なテイストで見せていく感じも大好きだった。
あとやはりLGBTQのみならず全ての日陰ものたちを暖かく抱擁し「君は何も悪くない!」と抱きしめるようなセリフが全てを表しているかのよう。お笑いライブで一人見た目で辱められた男.居酒屋でしなっとレズビアンをディスられる女性.足が燃えているというメタファーでつい謝ってしまう男などしんどい世の中を生きる彼らの姿に共感し、二人の女コンビに励まされる素晴らしく現代的なお話に涙してしまう。
また映像的にはシンメトリー+奥行きの美ショットが気持ち良い映画でもありましたなー。まあシンプルに青春映画的なパワーも凄いので高校生ぐらいの人たちに是非おすすめな自主映画でございました。
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