「零落」
落ちぶれる
人気漫画家だった主人公の薫(斎藤工)。
作品も作らずスタッフも離し、妻との関係も自ら壊す。
発散出来ない苦悩を自ら作り出し自分を追い詰めて行く。
他人から観れば我儘、傲慢、変人なのだろうけど、とても繊細で藻掻き苦しんでいる。
ふとしたことから出来た時間で出会った風俗嬢に心を許すが…
この女性を演じる趣里のコケティッシュな魅力。
あんなにイライラしていた薫が柔らかな白湯にあたったように変わっていく様がとても自然で優しかった。
誰かに頼りたい
でも自分から突き放す
こんなに苦しい生き方はとても辛い。
薫と関わる人物達が綺麗事だけでは無い再生物語。
主要なキャスト誰にも共感できない。
でもとても面白い魅力的な作品だった。
撮影日数19日で四季をしっかりと与えてくれる巧みな技術は流石でした。
~~~~~初日舞台挨拶~~~~~
竹中直人監督
女優と言ってはいけなくなったことが悲しい。
漢字が凄く好き。このタイトルが素敵。
工が完璧な薫を演じてくれた。滅茶苦茶色っぽかった。
斎藤工さん
竹中さんのキャリアからスタッフが効率化出来た作品。
撮影初日が同窓会のシーン。ワンシーンしか登場しない役者達が凄い。
零落の余韻で新宿の街を歩いて欲しい。