SetoKC

零落のSetoKCのネタバレレビュー・内容・結末

零落(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作同様に主人公の陰湿さ、身勝手さが最後まで続く暗い話でした。
久しぶりにここまで気分が下がる映画を見ました。
8年間連載して気づく時間の使い方、描きたいものを描かせて貰えず常にヒットする漫画を描かないといけないプレッシャーに押しつぶされながら過ごす辛い日々がひたすらに写されます。
これを見事に演じきった斎藤工の演技力はすごいです。斎藤工から溢れ出る「もうやめてくれよ」という暗い感情が画面いっぱいに広がりこちらにひしひしと伝わってきます。周りの責任は全て他人に押しつけ自分はあたかも被害者のように振る舞い、風俗に逃げの光を見つけては縋っている様はクズそのものですが、それを見て全てを批判できない自分がいます。自分も当てはまるところがあり、その共感が暗い気持ちへ誘います。
浅野いにお先生の作品は素晴らしい作品が多いのでこれからもたくさん映像化されて欲しいなと思いました。
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