昭和っ子

零落の昭和っ子のレビュー・感想・評価

零落(2023年製作の映画)
2.8
漫画家をはじめとする創作者が、別に性格も善くなくてもいいと思うが、昔の彼女に言われたことをちょっと引きずり、むしろ悪ぶってしまっているような主人公。身内には向けられるトゲを、わざわざサイン会に来てくれたファンには向けるなよ、とお祈りしてしまった。
のっけからの主人公のイライラするような停滞が、猫の目をしたスレンダーな少女が登場してからやっと動き出す。鄙びた海辺の町を二人でさまよい、写真を取りながら仕込んだ時間を、本人が思うところの芸術に寄せずに大衆的にすることで、ヒット作をまた得てしまう。
主人公に身も心も委ねてくれる趣里ちゃん演じるスレンダー美女は、男性の心の中に住むちょっと都合のいい女かな、と思う。再会したときに、もっとリッチに出世していて欲しかったのに、相変わらず男性と付き合う事でお金を得ている様子に、オイオイと突っ込みを入れたくなった。
最近は、夢を叶える=東京に拠点をつくるではなくなって来ているような気がするので、創作で身を立てる人たちに対するプレッシャーが少なくなって行ったらいいなと思った。
最後に、主人公同様にイタイ女性漫画家を演じる山下リオちゃん、最近よく見るけど応援しています。
昭和っ子

昭和っ子