Ryoma

スイマーズ:希望を託してのRyomaのレビュー・感想・評価

スイマーズ:希望を託して(2022年製作の映画)
4.3
“難民“という社会が抱える喫緊の課題について、また、“姉妹の誰にも断ち切れない強い絆“について深く考えさせられる作品、というか実話に基づいているということで、ノンフィクションに近い感じだった。ずっしりきたし色々考えさせられた。135分でも短いと思うほど内容が濃密すぎて、というか135分では短いほどに実際は想像しようもないほどに壮絶な経験だったんだろうなって…。
命懸けで海を渡ったとしてもそこで難民登録の承認が下りるまで働くこともできないしそれがいつ承認されるかもわからないし下りるという保証もない。そんな難民の生きるか死ぬかの壮絶な人生が本当に僅かではあるけれど理解できた気がする。
難民受け入れに協調的な当時のドイツ首相メルケルのような人がいてくれたことが何よりの救い。ヨーロッパでも協調的かそうでないかは様々であるし、どちらかというと後者の方が多い気がする。国単位じゃなく世界が一体となり真剣に向き合わなければならない大きな課題のひとつだと改めて感じた。解決の一歩として、難民が生まれる根源である異教徒による宗教間の紛争や食料や資源を巡る戦争、そこから考えないといけないし、本当に世界は先が見えない混沌とした状況にあり続けているんだと痛感した。
世界には3000万人以上の難民がいてその半数以上が18歳未満という事実にかなり衝撃を受けた。すぐには解決しないと思っているうちは解決に向かわない。少しでも力になるために何か行動に移さねば。
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